世界に約100種類ほどある松の大半は北半球に広く分布しており、食用とされる松の種子を松の実と呼び。
  中国国内では吉林省が主な産地で、延吉秀愛食品がある延辺地区でもかなりの量の良質で大粒の松の実が収穫されていますが、松の種類としては紅松(朝鮮五葉松)が大半を占めています。
  球果(まつかさ、まつぼっくり)は長さ12p〜16p、直径約10pもある大型で、翌年9月から10月頃に収穫・天日干し・機械乾燥などの加工が行なわれます。
  松かさは成熟すると鱗片が開いて内側に松の種子ができ、その胚乳の部分が松の実として食用にされています。
  淡い黄白色をした松の実は中国では「長生果」とも言われ、葛洪という医者が記した仙道の古典「抱朴子」などに書かれている仙人食=仙人の霊薬の1つにもなっており、「松食水飲」という言葉すらある程です。
  松の実にはカリウム、リン、ビタミンEなどの栄養素の他に多価不飽和脂肪酸も多く含まれています。
  松の実にはn-3系列のリノレン酸が含まれますが、他の植物油には含まれない特異なものために「P-リノレン酸」と名付けられ、現在ではピノレン酸と呼ばれています。
  ピノレン酸には、コレステロール除去、血液循環の促進、血管の弾力回復、血液をサラサラにする、肝脂肪を低下させる作用があると言われています。
  松の実には強力な抗酸化作用を持つビタミンEも含まれています。
  松の実は勿論そのままでも食べることができますが、お粥やスープに入れて食べるというのも一般的になっています。
 


松の実(生)